今回はおすすめ漫画『望郷太郎』の魅力をわかりやすく解説したいと思います!
文明が初期化された500年後の世界で、元エリート経済人が生き抜く冒険物語を読んでみたくないですか?
『望郷太郎』はアメトーーク!のマンガ大好き芸人という企画でケンコバさんと麒麟川島さんがオススメし、人気加速中の注目漫画!
『アメトーーク!』より
作者はあの『へうげもの』で手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞された人気漫画家・山田芳裕先生です!
文明が初期化された500年後の世界を旅し、一体エリート経済人が何を起こすのでしょうか?
オリジナリティ抜群の展開から目が離せない『望郷太郎』をオススメ&ご紹介したいと思います!
『望郷太郎』ってどんな漫画なの?
結論からいうと、以下のような漫画です。
- ポストアポカリプス(文明が崩壊した世界)を冒険する漫画
- 元エリート経済人の中年男性が主人公の漫画
- オリジナリティの高さに惹き込まれる漫画
- 現代の価値観について考えさせられる漫画
- まとめて読んだほうが楽しめる漫画
作品情報
『望郷太郎』は2019年から『週刊モーニング』で連載中です。5巻まで発売されています。(2021年8月時点)
作者は山田芳裕先生です。『へうげもの』で、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞と第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞しており、有名漫画家の一人です。
歴史ものやSFなど幅広いジャンルの漫画を描きますが、どれもオリジナリティの高いストーリーで個性的な切り口で描かれており、熱心なファンを多く持つ漫画家です。
『望郷太郎』はアメトーーク!のマンガ大好き芸人という企画でケンコバさんと麒麟川島さんからもオススメされているなど、すでに漫画マニアからも注目されている漫画のひとつです!
あらすじ
まずは作品のあらすじです。
なお内容について触れる関係上、若干のネタバレを含む可能性がありますが、ご理解の程をお願いします
主人公の舞鶴太郎は舞鶴グループ創業家の7代目で、そのイラク支社長を務めています。
ある年、凍死者が数億人を超えるほどの大寒波が北半球を襲いました。
移動手段をなくした舞鶴一家は、社屋のシェルターに避難し天候が回復するまで「人工冬眠」することを選びます。
『望郷太郎』1巻より
人工冬眠から目覚めた太郎が装置で日付を確認すると、なんと2525年6月11日と表示されていました。
もともと1ヶ月ほどで目が覚めるはずが、装置の故障なのかなんと500年もの月日が経過していたのです。
『望郷太郎』1巻より
一緒に人工冬眠した妻と息子が眠った装置は数百年前に送電が停止しており、残念がらミイラ化して死んでしまっていました。
『望郷太郎』1巻より
外の世界が気になり屋上に出てみると、太郎は荒廃してしまった世界を目の当たりにして絶望します。
『望郷太郎』1巻より
太郎は生きがいを失い自殺まで考えました。
考えた末に「父親や日本に残した娘のその後を確認してから死んでやる」という目的をたて、退廃した世界でイラクから祖国・日本を目指して旅するというストーリーです。
『望郷太郎』のここが面白い!
どういうところが面白いのかをお話しします!
なお内容について触れる関係上、若干のネタバレを含む可能性がありますが、ご理解の程をお願いします
オリジナリティの高いストーリー
作者の山田芳裕先生の作品はどれもオリジナリティの高さに定評があり、個性的な切り口で描かれているのが特徴です。
『望郷太郎』もそのような作品になっています。
序盤の展開から「SF系やサバイバルものなのか?」と思いきや、意外にもすぐ未来人と遭遇し安定した共同生活が始まります。
『望郷太郎』1巻より
未来人の生活は狩猟で生きつなぐほど文明が後退しており、太郎は新しい文明を知りながら生活していきます。
時には、太郎は未来人の村間の争いごとなどに巻き込まれることがあります。
もともと太郎は舞鶴通商という大企業のイラク支社長でした。
そのときの知恵や交渉力を発揮させ、お金の概念すらない未来人たちに損得を理解させるなどして争いを収めたり身を守ったりするのです。
『望郷太郎』2巻より
このように『望郷太郎』は現代の経済人としての知恵を使って、文明のない世界を生き抜いて行く物語だとわかってきます。
これは一種の「異世界転生系チート漫画」のようであり、そのジャンルへの斬新なアプローチだと私は考えています。
まさに「オリジナリティの高さ」「個性的な切り口」という山田芳裕先生の作品の特徴が出ている漫画です。
今後も一体どのような想像もできない展開を見せてくださるのか、目が離せません!
現代との価値観について考えさせられる
現代の人々と500年後の未来人とは価値観が大きく変わっているようです。
例えば「死者は埋葬せず食べることで自身の血や肉にし、一緒に生きる」という死生観を持っています。
『望郷太郎』1巻より
『望郷太郎』の世界では死と隣合わせの世界のため、そのような価値観が生まれたのでしょうか。
死んでも家族と一緒にいられる考えだからか死をネガティブにとらえておらず、また死を現代人ほど恐れてもいないようです。
現代で死を必要以上に恐れているように感じるのは普段生死に関わる機会がほとんどないからではないか、と私は考えさせられました。
人はいつかは必ず死にます。じっくり考えてみると未来人の価値観に対して「そういう考え方もあるかも」と腑に落ちる部分も多いです。
『望郷太郎』1巻より
前述の死生観以外にも現代との価値観の違いを感じ考えさせられるシーンは多いです。
『望郷太郎』では現代と未来の価値観の対比によって、現代の常識への問いかけが含まれているように思えるのです。
初期化された世界で非情な主人公が変化する!王道の面白さ
主人公の太郎は、現代では資本主義の非情な経営者でした。
『望郷太郎』1巻より
しかし500年後の世界では、モノの価値は物々交換でのみ測っているなどお金の概念がない世界になりました。
今まで数字上の損得だけをみて判断を下してきた太郎は、旅をする中で様々な判断を迫られます。
損得をとるか?人情をとるか?
自分を犠牲にするか?他人を犠牲にするか?
太郎は持ち合わせた文明の力の限りを尽くしながら様々な葛藤をして生き延びる中で、少しずつ太郎自身が変わっていくという王道の展開もあります。
『望郷太郎』2巻より
太郎が具体的にどのように悩み変化していくのかは、実際に読んでみて確かめてみてください!
変わったストーリーではありますが、このような王道の展開も抑えているところもあり安定して面白い漫画であると思います。
まとめ
『望郷太郎』が非常にユニークであり、今後も期待できる面白い漫画だと伝わりましたでしょうか!
物語が進むと、実は訪れる村によって文明レベルがかなり違うことがわかっていきます。
おそらく文明が発達している村であるほど、経済人であった太郎の力が発揮されてさらに活躍の場が増えていくのではないかと思われます!
間違いなく話が進むほどおもしろくなる漫画なので、じっくりと太郎の旅を追いかけてみませんか!?
是非読んでみてください!
他のおすすめ漫画
『望郷太郎』にハマった方はきっと以下の漫画もハマります!
合わせて読んでみてください。
- 天国大魔境
- ドラゴンヘッド
- ゴールデンカムイ
- 北北西に曇と往け