大ベルセルク展 in 大阪会場に行ってきましたので、概要や感想についてご紹介します!
大ベルセルク展は、ダークファンタジー漫画の金字塔『ベルセルク』の初の作品展です。
惜しくも2021年5月6日、急性大動脈解離により三浦建太郎先生は亡くなられてしまいました。
漫画史に残る偉大な作品をありがとうございました。御冥福をお祈りします。
青春と共にあったこの作品に深い感謝を込めて、全巻読み直してから行ってきましたので本作品展をご紹介します。
作品情報
改めてですが、『ベルセルク』がどのような漫画なのかをご紹介します。
結論からいうと、以下のような漫画です。
- 主人公・ガッツの復讐の旅を描いた、ダークファンタジー漫画の金字塔
- 緻密かつ重厚に描かれた、凄まじい画力の漫画
- 世界中から支持され、累計発行部数5000万部を突破している漫画
- 1989年から何度も休載を続けながら長期連載した漫画(41巻まで刊行)
- 作者・三浦建太郎先生が急死し、連載の継続や終了について未定の漫画
作者・三浦建太郎先生について
1966年7月11日 – 2021年5月6日(54歳没)です。若すぎる…。
代表作は本作品『ベルセルク』です。
30年以上に渡って長期連載を続けていましたが、休載することも多くその期間が年単位に渡ることもありました。
ただし休載期間中も原稿を描き続けて過労に陥るほどの作業を続けており、掲載誌の巻末コメントで自身の体調に関する不安をたびたび述べ、「死ぬまでに頭の中を全て出せるのか」など完結に対する危惧を自ら語っていました。
その後、自身が危惧していた通り2021年に急逝しましたが、白泉社は作品の継続や終了について明言はしておりません。
訃報を聞いたとき、「ああ、恐れていたことが現実になってしまった…」と項垂れたのは私だけではないでしょう。
『大ベルセルク展』の概要
『大ベルセルク展』は連載時の直筆原稿・カラー原画300点以上を一同に介して開催する、初の単独大規模作品展です。
会場では作中での時系列に合わせた原画展示を中心に、謙信・プライム1スタジオが制作してきた各種スタチュー(彫像)、本イベント用に制作された各種ジオラマ等、貴重な展示物が公開されていました。
ファン必見の展示イベントです。
東京と大阪で開催されました。今のところ、他の地域での開催予定はなさそうです。
他、詳細情報は公式サイトでご確認ください!
『大ベルセルク展』の見どころ
見どころをご紹介します。
名シーン300点以上の原画を間近で見れる
30年以上に渡って描かれてきた、本作品の選りすぐりの原画が額縁に飾られているのを鑑賞できます。
コミックでみるのとは違った、原画ならではの迫力を感じます。
立ち入り禁止線はなく、絵に顔を近づけて線や質感をじっくり見られたのがよかったです。
ペンの質感やインクのムラ、仕上げ時のホワイト修正までじっくり拝むことができました。
信じられないほど精緻な絵が、本当に人の手作業で作られていることがよくわかります。
一枚仕上げるのにどれほどの手間がかかったのだろうと驚嘆します。
また、コミックでベルセルクに触れてきた身からは、カラー原稿が新鮮で嬉しかったです。
『ベルセルク』5巻より
見開き一枚絵は美術作品のように綺麗でした。
世界観を具現化した精密なフィギュアやジオラマ
各所にフィギュアやジオラマも飾られており、キャラクターの詳細まで見れたり世界観をより感じることができます。
サイズが大きいものが多くて、50cm以上のものもありました。
今まで見たフィギュアの中で、本作品展のものが一番再現性と完成度が高かったです。
キャラクター以外の部分までとても手が混んでいて、漫画のシーンごと外に取り出したみたいです。
非常に細部まで拘って作られたであろうフィギュアで、作成者の情熱まで伝わってくるようです。
ベルセルクの黄金時代編の原画コーナーでは、漫画史に残るトラウマシーン「蝕」を再現したジオラマゾーンがあり、本編での絶望感が蘇ります…。
作者・三浦建太郎先生のインタビュー映像が見れる
大ベルセルク展は三浦建太郎先生が生前に企画された展示会のため、インタビュー映像が残っています。
来場者に向けた感謝のメッセージや、作品の作り方、今後の物語の展開について言及するなどファン必見の内容でした。
三浦建太郎先生はSNSなど公の場に全く姿を現さなかったので、ファンにとっては一番の見どころかもしれません。
所要時間、混み具合、客層について
所要時間について、私はだいだい2時間半くらいでした。
原画を一枚一枚もっとじっくり見ていれば、もっと長く居られそうです。
混み具合について、あまり混んでおらず快適に見られました。
コロナのご時世もあって、時間別の入場制限があったからかもしれません。
客層については30代以上が大半でした。ファンも作品とともに歳を重ねてきたのですね。。。
意外と女性やカップル(夫婦?)も多かったです。
『大ベルセルク展』の展示内容
展示内容などについて、順番にご紹介します。
ちなみに一部の撮影可能エリアを除き、会場内での写真及び動画撮影は禁止でした。
撮影可能エリアでは携帯電話・スマートフォン・タブレットでのみ写真撮影可能です。
一眼レフで撮りたかった・・・!
入場まで
大ベルセルク展は、ひらかたパークの門を入って右のイベントスペースにあります。
ひらかたパーク自体には入場せずに、大ベルセルク展に入ることができます。
当日券は、会場で購入かローソンで事前購入ができました。
入場時間は指定されていますが、入れ替え制ではありませんので、ゆっくりと楽しむことができます。
なお、入場時にはチケットに生贄の紋章のスタンプを押してくれます!嬉
300点以上も選りすぐりの原画
原画は物語の時系列順に並べられていました。
写真撮影は禁止でしたので、展示されていた中から私の好きなシーンを以下に引用いたします。
原画の迫力は引くくらいトンデモなかったです。
『ベルセルク』26巻より
書き込みが半端じゃない・・・。
『ベルセルク』34巻より
たまに描く、芸術作品のような絵もベルセルクの特徴です。
『ベルセルク』34巻より
ひたすら見惚れ、驚嘆しつづけながら見ちゃいました。
見開きの1枚絵のクオリティは、おそらく日本一ではないでしょうか。
原稿だけではなく、油絵やラフ鉛筆書きなど初めて見る絵も多かったです。
漫画では見れない、各キャラクターの日常シーンなどが見られたのが嬉しかったです。
鷹の団のオフの過ごし方や町民とのふれ合いなど、楽しそうでした。
時系列順で原画が並んでいるので、物語をもう一度イチから味わうように楽しめます。
その代わり、最近のストーリーに近づくにつれて、恐らくこの先が見れないことを悲しくもなりましたが・・・。
精巧なフィギュア
各所に飾られているフィギュアはどれも完成度が高く、来場者たちはみんな興味深そうに鑑賞していました。
フィギュアは写真撮影可能でしたので、何点か記載しておきます。
いい歳した大人たちが、夢中になってスマホを向けていて、あの空間ではみんなが少年時代に戻ったみたいでした笑
血みどろなガッツ。血しぶきまで感じさせます。
髑髏の騎士のフィギュアすごかったです。馬や布の躍動感があります。
ちなみにめっちゃでかいです。(50cm~1mくらいあったかも?)
「遠い日の春花」で登場したチッチもフィギュア化されていました!
原寸大かもしれません。
キャスカの精神世界まで再現されています。おそらく原寸大です。
よく見たら、ちゃんとちびキャスカもいました!
「蝕」を再現したジオラマ
フィギュアだけではなく、ジオラマもすごかったです。
あのトラウマシーン「蝕」を再現したゾーンは絶望感をフラッシュバックさせて、いい意味でものすごく嫌な空間でした。
『ベルセルク』13巻より
ゴッドハンドもそれぞれ大きなフィギュアで再現されていました。
あまり登場シーンの少ないキャラクターたちなので、立体で見ると作中では見えないところがどうなっているのかまでわかる発見があったのがよかったです。
等身大の巨大ゾッド像
巨大ゾッド像が急に現れてビックリ。
高さ約2.8メートル、幅約4.5メートルもあり、1300万円のクラウドファウンディングによって作成されたそうです。
写真ではいまいち大きさが伝わらないですね笑
漫画家たちからのサイン入りメッセージ
羽海野チカ先生やアニメ版の声優から、大ベルセルク展のお祝いメッセージがサイン入りで並べられていました。
知らない漫画家の方も多かったです。
白泉社の作家さんが多かったのかな?
三浦建太郎先生の仕事部屋
三浦建太郎先生の仕事部屋が再現されているコーナーがありました。
写真撮影は禁止だったので画像はありません。
物は整理されていて、意外と簡素で普通な感じだったかな?
物語の途中からデジタル作画に変わったのも、大きい要因かもしれません。
本棚はアメコミ系の漫画が多かったのが印象的です。
三浦建太郎先生のメッセージ映像
三浦建太郎先生から来場者に向けた、10分くらいのメッセージ映像が流れていました。
「なんとか元気にしぶとくやってますので、安心してください」から始まる映像でした。
・・・・・・・・。
来場者たちは、みな複雑な表情でじっくり見入っていました。
三浦建太郎先生の第一印象は、とても話しやすそうでどこにでもいそうなおじさんでした。
この人の頭からあんな壮大な世界ができあがるのだな…と考えさせられます。
メッセージはまとめると以下のような内容でした。
- 来場者たちへの感謝の言葉
- アナログ作画、デジタル作画の違いの話
- より早く原稿を仕上げる取り組みについて
- ストーリーは現在5分の4ないしは5分の3くらいまで来ており、これから風呂敷をたたみ始める
- 仲間との旅路は終わり、別の形で新しい物語が始まる
- 髑髏の騎士の過去も描く
- 今までなかったグリフィスとの直接対決がついに始まる
メッセージの内容はどれも興味深かったです。
今まで多くを語らなかった先生の口からベルセルクについての言葉を聞けたことが、本作品展の一番の収穫だったと思います。
ファンから三浦建太郎先生への手書きメッセージ
ファンから三浦建太郎先生へのメッセージが、絵馬のように大量に壁に掛けられていました。
以下のハガキサイズのメッセージカードが置かれており、来場者が自由に書くことができます。
数百枚はあったように思いますが、どれも感謝のメッセージで溢れておりグッときてしまいました。
とてもすぐ描きあげられないレベルの上手な絵が添えられているものが多かったので、きっとファンが再来して置いていったのでしょう。
日本だけでなく、様々な国の方からの御礼のメッセージがあったのも印象的です。
なんて惜しい人を亡くしてしまったのだろう。。。涙
グッズ物販コーナー
出口直前でグッズ物販コーナーがありました。
グッズは非常に数が多く、かならず欲しい物が見つかると思います。
売り切れはあまりなく、品揃えはよかったです。
どれも品質がいい感じで、こだわって作られているものばかりだと思います。
私は普段使えるものがいいなと思い、以下のハンカチとネクタイを買いました。
ハンカチ ベヘリット¥1,980
覇王の卵・ベヘリットをあしらった(気持ち悪い)ハンカチです笑
使っているとき、誰か気づいてくれないかなー。
ネクタイ ガッツ¥3,850
ガッツの生贄の紋章柄のネクタイです。
社畜として、いつも生贄になっているということを自ら揶揄しております・・・。
他、どのようなグッズがあったかは公式サイトでご確認ください!
複製原画とかを額縁で部屋に飾ったら、所有欲かなり満たせるだろうなー!
『ベルセルク』を無料で読む方法
もし本作品を読んだことがない方がいたら、ぜひ読んでください。
私は今から『ベルセルク』を読めることが羨ましいです。
Amazonや楽天で期間限定で1巻が無料になっていることもあるようです。
リンクを以下に置いてますのでご確認ください。
マンガParkでも期間限定で無料になっていることがあるようです。
または、公式サイトで試し読みしてください。
まとめ
『大ベルセルク展』、本当に行ってよかったです・・・涙
私が『ベルセルク』を初めて読んだのは中学生のときでした。
その衝撃は今でも忘れられません。
それから友達と語らいながらガッツの旅の続きを追い続けた、青春と共にあった漫画でした。
多くを語るのは野暮な漫画だと思います。
三浦建太郎先生、今まで本当にありがとうございました。
幽界(かくりょ)で完結まで読ませてくださいね。
『大ベルセルク展 in 大阪会場』のご紹介は以上です!