今回はおすすめ漫画『恋は光』の魅力をわかりやすく解説したいと思います!
少し変わった恋愛漫画をお探しではないですか?
『恋は光』の主人公・西条は変わり者で、偏屈で、見た目は平凡な男子大学生です。
しかし、恋をしている女性が光って見える(比喩ではなく)という能力を持ちます。
その光の原理は一体何なのか考えるある日、隣りに座った女子学生があまりにも熱心に恋愛小説に没頭しているのが気になり西条は声をかけました。
その女子学生に「なぜ共感できない恋愛小説を読むのか?」を尋ねると彼女はこう言いました。
「恋というものを 知りたくて」
『恋は光』1巻より
本気で「恋とは何なのか」について探求する一風変わった左脳系ラブストーリー『恋は光』をご紹介します!
『恋は光』ってどんな漫画なの?
結論からいうと、以下のような漫画です。
- 「恋とは何なのか」をロジカルに探求する左脳系恋愛漫画
- 主人公は恋をしている人が光って見えるという少しファンタジー要素がある漫画
- 会話シーンが多い漫画
- それぞれ性格の違うおしゃれで可愛い女の子達が登場する漫画
- 結末が推測不能で続きが気になる漫画
- 素晴らしく綺麗な結末を迎えた完結済みの漫画
作品情報
作者は女性漫画家の秋★枝。
集英社の漫画雑誌『ウルトラジャンプ』にて2013年11月号から2017年10月号まで連載し、完結済みです。全7巻。
秋★枝先生は恋愛漫画を多く手掛けており、『恋は光』は恋に対する考察のひとつの到達点ともファン内で評されています。
あらすじ
まずは作品のあらすじです。
なお内容について触れる関係上、若干のネタバレを含む可能性がありますが、ご理解の程をお願いします
主人公・西条は大学キャンパスで、幼なじみの女子大生・北代に自分が持つ特殊な能力について暴露します。
その能力とは、「恋をしていると思われる女性が光って見える」というものです。
『恋は光』1巻より
その光の原理がなんなのかを二人が考察するシーンから物語が始まります。
ちなみに西条はこの能力に目覚めて以来、自分に対して光を放つ女性がいません。
つまり「誰も西条に恋心を抱いてくれている人はいない」ということになるため、西条は恋愛を避けるように生きてきました。
『恋は光』1巻より
ある日西条が講義に一人で出席した際、美人な女子学生・東雲の隣に偶然座ります。
『恋は光』1巻より
講義中に東雲があまりにも熱心に恋愛小説を読んでいるのが気になり、西条が話しかけます。
東雲は読んでいた恋愛小説に対して「共感を伴っての理解が難しいな…と思います。好きではない…というのが正直なところです」と答えました。変な喋り方ですね。
それに対して西条が「ではなんのために読んでいるのですか?」と質問すると…
『恋は光』1巻より
東雲は「恋というものを 知りたくて」と答えました。
『恋は光』1巻より
この講義から、西条は東雲のことが気になって頭から離れなくなります。
そして、西条はなぜ東雲に惹かれたのか自己分析します。
西条は恋をしていると思われる女性が光って見えます。
その光の原理を解明したいと考えているため、「恋というものを知りたい」という東雲の考えは自分にも当てはまるのではと考えます。
つまり、同じ考えを持っている東雲が自分と似ているから惹かれているのだと自己分析しました。
すぐに西条は北代をつてに、東雲に友達になろうと接触します。
『恋は光』1巻より
東雲は携帯電話も持っていないような浮世離れしている子です。
そのため西条はメールなどの普通の手段で交友を深めるのではなく、東雲に交換日記を提案するのです。
『恋は光』1巻より
そして交換日記で「言葉」を使い、恋とは何なのか、また西条に見える光とは何なのかを考察していくというストーリーです。
『恋は光』のここが面白い!
どういうところが面白いのかをお話しします!
なお内容について触れる関係上、若干のネタバレを含む可能性がありますが、ご理解の程をお願いします
一風変わったロジカル恋愛漫画
『恋は光』は女子会や飲み会などでの会話シーンが大半で、色んな視点をもったキャラクター達が恋などについて議論します。
その会話が妙に理知的というか小賢しいというか……セリフの掛け合いがおかしくておもしろいのです。
キャンパスで北代、東雲、宿木の三人がダベっているシーンを以下にご紹介します。(宿木は序盤で登場する女子学生の一人です)
「東雲が恋を定義しようとしている」ことについて議論しています。
『恋は光』1巻より
東雲が恋の定義について迷走しているのを見かねた宿木が「私この人好きだわ。付き合いたいたいわって思えば、それが恋でしょ?」とあまりにも当たり前な一般論を提示します。
北代は東雲の迷走も宿木とのやりとりも含めおもしろがって、様子を伺っているようです。
東雲は宿木からの指摘を受け、さらにおかしな方向に考察が進みます。
『恋は光』1巻より
東雲が迷走した結果、結局宿木の言う「私が恋だと思えばそれが恋」という一般論にたどり着き腑に落ちた、というシーンです。
当たり前過ぎる一般論ひとつをとっても、自分なりの解釈を経てそこに至ることで東雲は納得でき自分の考えに自信が持てました。
このようにキャラクターたちが恋とは何かなどについて様々な角度から考え、それを「言葉」で交わしあうことでそれぞれの答えを探すストーリーなのです。
決して説明することから逃げずに、真っ向から理詰めで感情を説明する漫画は新しいと思いました。
個性的で可愛い女の子キャラクター
『恋は光』には、性格の違うおしゃれで可愛い女の子達が登場します。
それが作り物と思えないほど会話などがリアルで生きているように思えて、とても魅力的なんです。
以下にメインキャラクターの女子学生三人をご紹介します。
北代(きたしろ)
主人公・西条の幼馴染。社交的で明るく、世渡り上手。
密かに恋する想い人はいますが、自発的にその人との関係を変えてまで恋愛する気はないようです。
人との繋がりや体裁の優先順位が、恋愛より上だと自己分析しています。
『恋は光』1巻より
東雲(しののめ)
恋というものを知るために深く考えていて、いつも論理的な話し方をします。
性格は天然で謙虚で隙だらけ。テレビやネットを見ず、携帯電話も持っておらず浮世離れしている側面もあります。
素直で、感情が表情に現れやすいのも東雲のいいところとして描かれていています。
『恋は光』1巻より
宿木(やどりぎ)
北代や東雲と違い、恋愛感覚は一般的な女子大生に見えます。
しかし、他人が好きな人を好きになってしまう悪癖があるようです。
理由は誰かが欲している人を魅力的に感じてしまうためであり、今までちゃんと人を好きになったことがないと自認しています。
『恋は光』1巻より
以上の女性たちの会話シーンがとても小気味よく、微笑ましく見守っているだけで楽しいです。
各キャラクターの精神年齢が高く、ドロドロしない
普通なら揉めるような恋愛沙汰になっても決して感情的になることはなく、ドロドロしないのが『恋は光』のいいところです。
特に北代と東雲は精神年齢が高いというか、非常に理性的でどこか達観しています。
『恋は光』2巻より
嫉妬などの感情さえも俯瞰的に捉える北代と東雲に対して、そこまで割り切れない宿木は思うところがあるようです。
『恋は光』2巻より
このような変わった三人の関係が、宿木の精神的な成長につながっていくのも面白いです。
キャラクター達が意見を交わし合う会話劇をみて、また読者自身も自分の意見を考えながら読むことになるので、ある意味大人向けの恋愛漫画といえると思います。
納得できる最高の結末
ヒロイン複数に囲まれる恋愛漫画の結末は賛否両論になりがちですが、『恋は光』は違います。
キャラクターたちが選んだ決断の経緯が丁寧に説明され、そして圧倒的なまでの説得力ある「言葉」によって結末まで導かれます。
論破されました…参りました…となるくらいです笑
『恋は光』7巻より
最終的に「恋とは何なのか」という考察のひとつの到達点とまでいえるほど、本質に迫った答えにたどり着きます。
まさに見事!という綺麗な結末をしますので、最後まで見届けてほしいです。
まとめ
「恋とは何なのか」に対してここまで「言葉」での表現に徹し、真正面から向き合う恋愛漫画は他に見たことがないです。
恋というものを知りたくなりましたら、是非読んで確かめてみてください。
『恋は光』のオススメ&ご紹介は以上です!
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『恋は光』にハマった方はきっと以下の漫画もハマると思います!
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