今回はおすすめ漫画『メタモルフォーゼの縁側』の魅力をわかりやすく解説したいと思います！
この記事は以下のような人におすすめ！
- 『メタモルフォーゼの縁側』がどんな漫画なのか知りたい人
- 『メタモルフォーゼの縁側』のどこが面白いのか知りたい人
- 『メタモルフォーゼの縁側』を無料で読む方法を知りたい人
- 他のおすすめ漫画を知りたい人
友達と好きなことを共有しあえる時間ほど、楽しいものは無いと思いませんか？
本作品はおばあさんと女子高生がBL（ボーイズラブ）漫画を通じて友人になり、少しずつ交流を深めていく様子を描いた漫画です。
ナチュラルに描かれる優しい人間模様は必見で、大切に愛すべき漫画と言えます。
丁寧で素朴な暮らしの中にあるキラキラしたものが描かれていて、とても優しくて温かくて、ときに切ない物語に胸を打たれるのです。
自己評価が低くて内気な女子高生、うらら。
夫に先立たれて一人身で暮らすおばあさん、雪。
通常交わることのない二人がBL漫画を通じて交流を深めながら、お互いに影響しあって次第にメタモルフォーゼ（変化）していく物語です。
また、日々を豊かにしてくれる美しい読書体験そのものが描かれていて、漫画の素晴らしさを再認識させてくれる漫画でもあります。
「このマンガがすごい！2019」にてオンナ編1位を受賞しました！ 2022年夏に実写映画化も予定しています。
今回は以上のような漫画『メタモルフォーゼの縁側』をご紹介いたします。
『メタモルフォーゼの縁側』ってどんな漫画なの？
結論からいうと、以下のような漫画です。
- 年齢も立場も違う二人がBL漫画を通じて緩く繋がる人間関係を描く漫画
- 等身大で共感しやすい魅力的なキャラクターが登場する漫画
- 漫画の素晴らしさを再認識させてくれる漫画
- 全5巻で完結済みの漫画
- 2022年夏に実写映画が公開予定の漫画
作品情報
鶴谷香央理先生による漫画で、2017年11月～2020年10月にかけてKADOKAWAのウェブコミック配信サイト『コミックNewtype』で連載され、完結済みです。（全3巻）
「このマンガがすごい！2019」にてオンナ編1位を受賞、第22回「文化庁メディア芸術祭マンガ部門」では新人賞を受賞しています。
2022年夏に実写映画化されることが決定しており、芦田愛菜さんと宮本信子さんが主演を務めることが発表されています。
作者・鶴谷香央理先生について
1982年生まれの40歳です。
2007年に「おおきな台所」が「第52回ちばてつや賞」で準大賞に選ばれ、同作でデビューしました。
俳句同人誌『傍点』に参加し、自作の俳句を掲載するなど幅広く活動されています。
漫画を読むことが大好きで、ジャンルを問わず読むタイプだとインタビューで語っています。
本作品で描かれているキャラクターの読書体験の描写からも、鶴谷香央理先生が漫画好きであることが伝わってきます。
あらすじ
まずは作品のあらすじです。
なお内容について触れる関係上、若干のネタバレを含む可能性がありますが、ご理解の程をお願いします
蝉が鳴り響く夏のお昼、老婦人の市野井雪（ゆき）は亡き夫と通った思い出の喫茶店を訪ねました。
しかしその喫茶店は閉店していたことを知り、過ぎ去っていく時間の早さを憂います。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
雪はとりあえず涼むために、本屋に立ち寄ります。
以前は料理本コーナーだった場所に行くと、そこは漫画コーナーに置き換わっていました。
雪は、その彩やかな漫画の並びに目を奪われます。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
雪にとって、最後に「漫画」を読んだのはいつぶりかわからないほど前のことです。
たくさんの漫画の中で、店員のオススメになっていた漫画を手にとり購入することにします。
雪は気づいていませんが、実はこの漫画はBL漫画なのです。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
レジをしたのは隠れBL漫画好きの書店員・佐山うららでした。
うららはBL漫画をレジに持ってきたおばあさんに驚き、動揺しながらカバーをかけるか尋ねます。
うららは、そのあとも雪のことが気になっていました。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
雪は寝る前、本屋で漫画を買ったのを思い出したので読んでみることにしました。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
BLとは知らず購入したその漫画は高校生が題材のストーリーだったため、「若いの買っちゃったな」と思いながらも読み進めます。
すると主人公の男子高校生が、親友（男子）に告白しだしたのです。（BLなので）
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
そして、最後に彼らはキスをしたところで1巻が終わりました。
雪は目を輝かせ、「あらー…」とそのまさかの展開に胸をときめかせます。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
翌日、雪は漫画の続きを読みたくて1巻を買ったのと同じ本屋に買いにいきました。
そしてうららと再会し、二人はBL漫画という「共通の好きなもの」を通して徐々に仲良くなっていきます。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
誰かとの出会い、そして好きなことを共有しあう喜びによってお互いにメタモルフォーゼ（変化）を起こしていくというストーリーです。
75歳の老婦人と書店員の女子高生が、BL漫画で繋がる不思議な友情関係を描いた漫画です。
『メタモルフォーゼの縁側』のここが面白い！
どういうところが面白いのかをお話しします！
なお内容について触れる関係上、若干のネタバレを含む可能性がありますが、ご理解の程をお願いします
実在感のあるキャラクターに感情移入してしまう
静かな日常の中から切り取って、ナチュラルに描かれる人間模様が本作品の魅力です。
そのように描かれる、生きたキャラクター達に読者は感情を乗せて読んでしまいます。
キャラクターの実在感は、鶴谷香央理先生の日常の観察眼が素晴らしいため描けるのだと思います。
本作品の主人公の２人を以下で紹介します。
市野井 雪
書道の教室をしているおばあさん。75歳。
夫に先立たれて、ひとり暮らししています。
その暮らしぶりから、上品で丁寧な日常を営んでいるのが伝わってきます。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
おばあさんの日常の入浴シーンは珍しくて驚きました
雪はうららなどの子供に対しても偉そうにせず、思いやりがあり誰とでも対等に接します。
その性格から、内気なうららとも風通しの良い関係を作っていきます。
雪の言動には年の功を感じさせ、素敵な年のとり方をした人だなと感心させられます。
たびたび、街の景色に夫婦の思い出がよぎったりするところに人生を感じ、より実在感を感じます。
佐山 うらら
内気な女子高生・うらら。
親が離婚しており、母と２人で住んでいます。そのためか部活動などはせず、本屋でバイトをしています。
服装や髪型など、容姿には全くこだわりがないようです。
自己評価が低くて、「私なんか」と何でも最初から諦めているような言動をよくします。
学校では友達が少なくて、好きなものの話で盛り上がっているクラスメイトを羨ましく思っています。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
その「内気な性格」と「BL漫画が好きという後ろめたさ」から、うららは周囲に発信することはできません。
好きなことを好きだと発信するのは、意外と勇気がいることだからです。
このような思春期ならではの自意識過剰なところが、誰にでも共感しやすいですね。
私は控えめで他人思いで可愛らしい女の子だと思いますよ！
うららはとても優しい性格の持ち主であることを雪は感じ取り、雪からの誘いにより二人は仲良くなっていきます。
うららにも好きなことを好きだと言い合える関係性が構築できていくところに、ほっこりさせられます。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
自分の「好き」を共有できる幸せが伝わってくる
同じ好きなものを同じ温度感で一緒に楽しめる友達は、人生の中で多く出会えるものではありません。
その稀有な出会いを描く素敵さ、そして日々が充実していく幸せに胸があたたまります。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
漫画のイベントなどにも2人で出かけることがありますが、そのウキウキ感が伝わってきます。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
何かに夢中になりその時間に埋没する幸せを知っている人は、二人に同調してしまうことでしょう。
漫画の素晴らしさを再認識し、漫画のことをもっと好きになれる
本作品を読んで、「漫画って、なんて素晴らしいのだろう…」と感激しました。
「漫画はいつ誰が何を読んでもいい。どの漫画も楽しめるものなのだ！」と再認識させられました。
特に雪は漫画を今までろくに読んだことがなかったわけで、何歳になっても新しい趣味で輝く時間があるのだなと嬉しくなります。
雪が、漫画を読むのが勿体なくて奥付から見るシーンがあります。
『メタモルフォーゼの縁側』１巻より
楽しみ過ぎて読むのがもったいなくて奥付から見るなんて、「ああ！自分もやってたなあ！」と思い出して感動しました。
そしてページをめくる充足感、静かだった泉から水が湧き出すような幸せな読書体験が伝わってきます。
漫画を読むことが大好きな作者だからこそ、漫画の楽しみ方、漫画への愛が伝わってくるのですね。
『メタモルフォーゼの縁側』を無料で読む方法
Amazonや楽天で期間限定で１巻が無料になっていることもあるようです。
リンクを以下に置いてますのでご確認ください。
無料になっていなかった場合は、公式サイトで試し読みしてください。
まとめ
誰かとの出会いによる影響が人生を豊かにしてくれることが描かれており、感動で打ちのめされました。
本作品は見る人によって感情の入れ方が変わる漫画だと思います。
私の年齢はうららと雪の間にあたる年齢だからかその両方に共感させられ、雪の優しさに感動し、うららのいじらしさにヤキモキさせられました。
読者自身がいつか歳をとり「メタモルフォーゼ」してから見返すと、また違う見え方をさせてくれそうな素晴らしい漫画です。
『メタモルフォーゼの縁側』２巻より
本作品は私の漫画トップ10に入るくらい好きです。「もっと漫画を好きにさせてくれてありがとうございます」とお伝えしたいくらいです！
忙しい世の中で、とまり木のように優しく受け止めてくれる作品ですので是非読んでみてください。
『メタモルフォーゼの縁側』のオススメ＆ご紹介は以上です！
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