今回はおすすめ漫画『少年のアビス』の魅力をわかりやすく解説したいと思います!
田舎で生きる息苦しさや閉塞感、無力感を感じたことはありませんか?
『少年のアビス』は幼馴染や家庭によって町に縛りつけられた男子高校生の話です。
うっすらとした絶望を抱えながらただ生きていくだけだった毎日を、ある女性との出会いが変えます。
その女性は主人公の少年に「今から心中しようか」と事も無げに誘ったのです。
読むのが怖い、怖いけど読みたい。とページを止められないスーサイドラブストーリー漫画『少年のアビス』をご紹介します!
『少年のアビス』ってどんな漫画なの?
結論からいうと、以下のような漫画です。
- 人間の深く暗い感情を描く文学的な雰囲気の漫画
- 心中など暗くドロドロした話が多い漫画
- 続きの展開が気になって読むのを止められない漫画
- 絵が綺麗で女の子が可愛い漫画
- エッチなシーンがある漫画
- 連載中で巻数が少ない漫画
作品情報
作者は峰浪りょう先生。『週刊ヤングジャンプ』にて2020年13号から連載中で、2021年6月現在5巻まで発売中です。
峰浪りょう先生は他に『ヒメゴト〜十九歳の制服〜』『初恋ゾンビ』を連載していました。
ジャンルや雰囲気はそれぞれの作品ごとに違いますが、人が(時に無意識に)抱える悩みや欲望、その秘密性がテーマになっている作品が多いです。
『少年のアビス』は重版が何度もかかっており、人気急上昇中の漫画です!
あらすじ
まずは作品のあらすじです。
なお内容について触れる関係上、若干のネタバレを含む可能性がありますが、ご理解の程をお願いします
主人公は高校生の黒瀬令児。
遊び場も特徴もなにもない町で母、兄、祖母と4人で暮らしています。父親はいないようです。
兄は引きこもりで祖母は認知症という厳しい家庭環境で、看護師の母と2人で何とか支えあいながら暮らしています。
令児は学校での進路相談で就職を希望し、「オレ、町を出られないんですよ」と担任に話します。
その表情にはどこか諦めの色が見えます。
『少年のアビス』1巻より
令児の数少ない心の癒やしは、「アクリル」というアイドルの動画を見ることのようです。その中でも特に青江ナギを推しています。
『少年のアビス』1巻より
令児の幼馴染は不良で、令児は日常的にタバコをパシられたりしているようです。
この不良の幼馴染の家は町で大きな土建屋を営んでおり、令児は高校卒業後その土建屋に就職することが決められています。
母から一方的に告げられた令児に拒否権はありませんでした。
『少年のアビス』1巻より
令児の家では引きこもりの兄と認知症の祖母を、母と共に養わないといけません。
そのため令児は進学などで家から出ることはできず、高校を卒業したらすぐ就職してお金を稼がないといけません。
しかし町には就職先が少なくて、不良の幼馴染の土建屋に雇われることが決まっています。
このように、令児は何もない田舎町に縁という鎖で縛られている主人公なのです。
ある日、令児はヒステリックを起こした兄を宥めるためコンビニに唐揚げを買いに行きます。
そのコンビニで、あるきっかけから店員の女性と話すシーンがあります。
その女性店員はタバコを吹かせながら、「一服しないとやってらんないことばっかだよね」とつぶやきます。
彼女自身も何か後ろ暗いものを抱えているように見えます。
『少年のアビス』1巻より
女性店員にタバコを勧められライターの火に照らされた瞬間、令児はその女性店員が好きなアイドル・アクリルの青江ナギであることに気づきます。
『少年のアビス』1巻より
まさかの出会いに驚いていると、最近この町に来たと言う青江ナギから町の案内を頼まれます。
町の案内をしている中で、令児は青江ナギに家庭や幼馴染によって町から出られない人生を歩んでいるなどの身の上話をします。
川に2人が差し掛かった時、実はこの町は「小説で恋人同士が川に飛び込んで心中する舞台」になっていると話します。
青江ナギは心中した小説の主人公たちに対して、「羨ましいって思った。だって一番幸せな死に方だもん」と言います。
『少年のアビス』1巻より
そして青江ナギは令児に「私たちも今から心中しようか」と事も無げに言うのです。
『少年のアビス』1巻より
令児は今までうっすらした絶望や諦めを抱えながら町に縛りつけられて、ただ生きていくだけの人生を送っていました。
青江ナギとの出会いが、令児が今まできちんと向き合わなかった自分の深淵=『少年のアビス』と向き合うきっかけになります。
『少年のアビス』1巻より
この先に希望はあるのか。光はあるのか。それとも……というストーリーです。
町に縛られ全てを諦めていた主人公が青江ナギと出会い、その先の人生の選択肢と向き合う話です。
『少年のアビス』のここが面白い!
どういうところが面白いのかをお話しします!
リアルで真に迫る感情描写
『少年のアビス』は感情描写が秀逸で、共感して胸が詰まる思いになります。
なぜ令児をこれほどまでに絶望させたのかが、令児をとりまく環境の些細なことを丁寧に描いて表現しています。
例えば、令児が少しでも弱音を吐こうとすると母親に塗りつぶされてしまうシーンがあります。
母親はいつも令児に重たい弱音を吐くのに、令児が抱えるそれは誰にも話すことはできないようです。
息苦しさが常につきまといます…。
『少年のアビス』1巻より
令児がずっと蓋をしていた気持ちが溢れ出し、溜まっていた感情を吐露するシーンがあります。
大雨の中、街頭もない町の暗闇で吐き出される思いには胸が痛みます…。
『少年のアビス』1巻より
心中というキーワードや婉曲な情緒表現から、『少年のアビス』は文学的な漫画のように感じます。
とにかく続きが気になる
『少年のアビス』はとにかく続きが気になる漫画です。
令児に限らず登場人物たちはみな危うさを抱えていて、「えっどうなっちゃうの!?」と驚きの展開の連続です。
どう転んでも救いのないような陰鬱な物語ですが、綺麗な絵とハッとさせられる構図などに惹き込まれてあっという間に1巻読み終えてしまいます。
『少年のアビス』1巻より
読むのが怖い、怖いけど読みたい。とページを止められない漫画です。
まとめ
巻が進めば様々な人が令児に関わり、闇のラブコメとも言うべき展開へ堕ちていきます…。
令児は町をでるのでしょうか?町に留まるのでしょうか?それとも小説をなぞるように、誰かと心中してしまうのでしょうか?
是非実際に読んで、令児の行末を確かめてみてください!
『少年のアビス』のオススメ&ご紹介は以上です!
他のおすすめ漫画
『少年のアビス』にハマった方はきっと以下の漫画もハマると思います!
- ヒメゴト~十九歳の制服~
- ミスミソウ
- 金魚妻
- 娘の友達