今回はおすすめ漫画『天国大魔境』の魅力をわかりやすく解説したいと思います!
緻密に張り巡らされた伏線が見事に回収されていく漫画を読んでみたくないですか?
『天国大魔境』は『それでも町は廻っている』の作者である石黒正数先生がおくる最新作!
はやくも「このマンガがすごい!2019のオトコ部門1位」に輝き、話題になっております。
石黒正数ワールド全開の近未来SFアドベンチャー『天国大魔境』をオススメ&ご紹介したいと思います!
『天国大魔境』ってどんな漫画なの?
結論からいうと、以下のような漫画です。
- ポストアポカリプス(文明が崩壊した世界)を冒険する漫画
- 退廃した外の世界と隔絶されたハイテク施設の世界が並行で描かれる漫画。
- ストーリーに謎が多く考察が楽しい漫画
- 緻密な伏線が見事に回収されて謎が明かされていく漫画
- 姉キャラ・キルコが可愛い漫画
作品情報
作者は石黒正数先生。『月刊アフタヌーン』(講談社)にて、2018年3月号から連載中。11巻まで発売されています。(2021年8月時点)
「このマンガがすごい!2019」ではオトコ編第1位に輝いた話題作です。
石黒正数先生は、『それでも町は廻っている』など多数の人気作を世に送り出し、熱狂的なファンが多い日本を代表する漫画家のひとりです。
緻密なストーリーや可愛いキャラクターが魅力的だと思います。
あらすじ
まずは作品のあらすじです。
なお内容について触れる関係上、若干のネタバレを含む可能性がありますが、ご理解の程をお願いします
舞台は日本。退廃した外の世界と隔絶されたハイテク施設の世界が並行で描かれます。
退廃した外の世界
何らかの大災害が原因で文明はなくなっており、世界は荒廃しています。まさに魔境といえます。
主人公であるマル(♂)とキルコ(♀)が、荒廃した世界を旅しています。
寝床や食料に毎日困っており、サバイバルしながら何とか旅しているようです。
『天国大魔境』1巻より
やがてマルとキルコの旅の目的は「天国」を探していることだとわかります。
しかし、「天国」とはなんなのか?二人の関係や何者なのか?などは謎のまま物語は進行します。
『天国大魔境』1巻より
荒廃した世界には「人食い」と呼ばれる謎の生物が存在しているようです。
人を捕食する生物であり銃では倒すことはできないため、生き残っている人々は人食いを恐れなから生活しています。
『天国大魔境』1巻より
隔絶されたハイテク施設の世界
一方、隔絶されたハイテク施設の世界では子供たちが箱庭のような施設でワイワイ楽しく過ごしています。
子供たちはそれぞれ、すごい身体能力や壁に貼り付く力や予知能力(ぼんやりレベル)などの超能力を持っているようです。
授業や給仕など子供たちのお世話はロボットが行いますが、一応大人たちも施設内にいるようです。
退廃した外の世界とは真逆で、子供たちは寝食に困ることなくのびのび過ごしていることがわかります。
しかしこの施設は一体なんなのでしょうか?
『天国大魔境』1巻より
大人たちはほとんど子供たちの前には姿を見せず、モニターなどで子供たちを監視しています。
大人たちには何か思惑があるようです。
『天国大魔境』1巻より
子供たちの中には、外の世界で冒険しているマルとそっくりのトキオという子がいます。
子供たちは生まれて施設からでたことはないため、施設が世界の全てだと思っています。
しかし、トキオはあるきっかけから施設の外の世界を意識し興味をもっているようです。
ある日、予知能力をもったミミヒメという子がトキオに「外からふたりの人が僕をたすけに来てくれる」という予知をします。
その助けに来てくれる人の顔がトキオにそっくりであるといいます。
おそらくマルのことだと思われます。
なぜマルとトキオがそっくりなのか、謎です……。
『天国大魔境』1巻より
『天国大魔境』は、以上のように謎が謎を呼ぶ二つの世界を並行に描くSFアドベンチャーストーリーです。
『天国大魔境』のここが面白い!
どういうところが面白いのかをお話しします!
なお内容について触れる関係上、若干のネタバレを含む可能性がありますが、ご理解の程をお願いします
大量に散りばめられた謎や伏線について考察するのが楽しい
『天国大魔境』はとにかく謎だらけの漫画です。
- マルとキルコが目指す天国とは何なのか?
- 人食いとは何か?
- なぜトキオとマルはそっくりの顔をしているのか?
- 施設で大人たちが子供たちを管理している目的は?
これらの謎について想像したり考察するのが楽しい漫画なのです。
序盤でじっくり世界観を構築し人物が描写されてから、少しずつ謎が明らかになってきます。
裏向きのカードをまずひととおり場に出してから、裏返すように謎を解明していく感じでストーリー進行されていく漫画なのです。
『天国大魔境』1巻より
そして物語が進むたびに謎が明かされると「そういうことだったのか!」と驚きの連発です。
そして1巻から読み返してみると、「ああ、このシーンはそういう意味だったのか!」とあとからわかる伏線も見つかるなど、何度読んでも発見があって楽しめるいい漫画だと思います。
非常に緻密に計算されたストーリーであると感じます。
そして、こんなにも謎だらけなのにおもしろいというのがこの漫画のすごいところなのです。
二つの世界の対比で浮き上がるダークな雰囲気
一見平和そうに見えるシーンでも不穏な空気が漂っていてダークな雰囲気を感じます。何か不吉な展開になりそうで心配です。
外の世界は魔境といえるほど退廃していますが、生き残っている人々は意外と元気そうに過ごしています。
物資は少なくともみんなで助け合いながら、それなりに和やかに生きているようです。
『天国大魔境』1巻より
一方施設側の世界は食べ物に困ったりはしないですが、子供たちには制限された知識しか与えられていなかったり、大人たちが子供たちをモニターで監視したりしています。
とてもドライに子供たちを扱っている様子が、家畜でも育てているかのように思えて不気味さが漂います。
間違いなく大人たちが何かの意図で子供たちを管理しているようで、ディストピア的な管理社会を連想させます。
『天国大魔境』1巻より
外の世界と比較すると、施設の恵まれた環境は「天国」といえます。
しかし大人たちの思惑によっては、もしかすると「施設内の世界側が魔境なのかもしれない」と思わせる不穏な雰囲気があるのです。
今後の展開で、子供たちが不幸な目に合わないことを祈ります……。
姉キャラ・キルコが可愛い
外の世界を冒険している姉キャラ・キルコが可愛いです!
というのも作者自身が生粋の姉萌であり、かなりのこだわって「作者のモロ好みの女性」を描いているそうです。
時にガサツだったり…
『天国大魔境』1巻より
時にセクシーだったり…
『天国大魔境』1巻より
時に頼もしかったり…
『天国大魔境』1巻より
作者の性癖、こだわりが存分にでていますね笑
ちなみに目の下のくぼみ(影)がこだわりだそうです笑
キルコの今後の活躍に期待です!
まとめ
まだ巻数が少なく謎が多い漫画ですが、新刊が発売されるたびに謎が明らかにされています。
そして、また最初から読み返すたびに「ああ、そういうことだったのか!」と伏線に気づく素晴らしい漫画です。
じっくり風呂敷を広げてから少しずつ謎を明らかにしていく構成のため、何巻かまとめて読んだほうが楽しめる漫画かもしれません。
是非読んでいただきたいです。
『天国大魔境』のオススメ&ご紹介は以上です!
他のおすすめ漫画
『天国大魔境』にハマった方はきっと以下の漫画もハマると思います!
- AKIRA
- それでも町は廻っている
- プラネテス
- 望郷太郎